父と娘の日記

或る70歳台父と40歳台娘の日々ー共通の趣味は、読書、音楽鑑賞(主にクラッシック)、登山、旅行等。

鉄道員    ピエトロ・ジェルミ(監督)

鉄道員    ピエトロ・ジェルミ(監督)

 

 

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第2次世界大戦後のイタリアを舞台に、鉄道に働く初老の父親を末っ子の少年の視点から描いた作品。
都会に生きる庶民の喜怒哀楽を、詩情豊かに表している。

戦後イタリアを舞台に庶民の家族愛を少年の視点から描き、哀切極まりないテーマ曲と共に多くの映画ファンを涙させた永遠の名作。
監督自ら演じる機関士も素晴らしいが、いたいけな眼差しのサンドロ少年(エドアルド・ネヴォラ)の愛くるしさと、純真なモノローグがたまらない。長女ジュリアを演じる正当派女優シルヴァ・コシナの陰のある美しさも大きな魅力。


あらすじ
幼い末っ子サンドロが崇拝する機関士の父アンドレア。既に大人になった長男や長女には口やかましく彼らからは疎まれる存在ではあったが、優しい母のおかげで一家は平穏を保っていた。しかし、長女ジュリアが予期せぬ妊娠~結婚の末に流産。おまけにアンドレアも運転中に事故を起こしてしまい、家族の歯車が徐々に軋んでいく……。


ピエトロ・ジェルミ (監督、脚本、主演)

制作 カルロ・ポンティ
脚本 アルフレード・ジャンネッティ、 ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
撮影 レオニーダ・バルボーニ
音楽[映画制作用]Carlo Rustichelli
出演 エドアルド・ネヴォラ、 ルイザ・デラ・ノーチェ、 シルヴァ・コシナ、 サーロ・ウルツィ、 カルロ・ジュフレ、 レナート・スペツィアリ

 

2020年9月5日 BSプレミアムにて

 1956年の60年以上前のイタリア映画モノクロの映画ですが、今も昔も変わらぬ家族の問題がテーマ。懐かしさに浸った115分。何度見ても心に響く。

 哀愁漂うカルロ・ルスティケッリのメロディに乗せて、戦後イタリアのある鉄道員の家族のストーリーが展開される。

 ある年のクリスマスから次のクリスマスまでの1年、鉄道員アンドレア一家を見舞う波乱の数々を少年サンドロの目線から見た家族の物語。

頑固で昔堅気、誇り高き鉄道員の父アンドレア(役を監督のピエトロ・ジェルミ自身が演じている。)50歳で、ベテランで特急の運転手。

父親はある日、飛び込み自殺と衝突未遂に見舞われ、信号無視をし左遷、事故の責任を負って降格処分。労働争議、スト破り、同僚からの指弾、ストレスから増えていく酒量。

長男のマルチェロは就職せずに悪い商売に片足を突っ込んでいて、家出してしまう。

長女のジュリア(役シリヴァ・コシナ)の婚前交渉、愛情を確信できないまま迎える結婚、死産で終わるクリスマスの夜。結局夫婦仲がうまくいかず離婚してしまう。

いつも優しく温かく家族皆を支える母。

家族はそうした中で次第に離れ離れになってゆく。崩壊したように見えても、繋がり続ける絆。家庭内の不和に母は胸を痛め、悲しくなる。

サンドロは幼いながら色々と胸を痛めているのが愛らしくもあったし切なかった。あどけない表情、見て見ぬ振りもする立ち回りも愛くるしい。澄んだ目で見て感じて、幼いながらもなりにいろいろ考えているのが、いじらしい。

アンドレアの命を縮め、波乱のおかげで家族の再生が叶う。妻にも看取られずひとり息を引き取るアンドレアであるが、イブの夜家族と同僚たちと和解し撚りの戻った娘夫婦との再会を約し、安堵したかのように安らかに逝く。

最後のシーン、母妻役のルイザ・デラ・ノーチェの憂いの表情にも心打たれた。 


 

 

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