父と娘の日記

或る70歳台父と40歳台娘の日々ー共通の趣味は、読書、音楽鑑賞(主にクラッシック)、登山、旅行等。

素晴らしき「ホンダジェット」

 

 

ハーバード大学経営大学院(以下、ハーバード)から高く評価されたのが、「ホンダジェット」。
 日本企業のイノベーションについて、戦後の、ソニートランジスタラジオ、ホンダのスーパーカブトヨタ自動車の小型車など、高く評価されています。

 一方、1990年代以降は、ハーバードで注目されたのは任天堂のWiiぐらい。GAFAやITベンチャー企業が台頭する中、多くの日本企業はイノベーションの授業で取り上げられることも少なくなってきました。

 そうした中で「日本企業らしい革新的な製品」として注目されることになったのが、ホンダジェット

 ホンダジェットの事例で教授も学生も驚くのが、とても長い時間をかけて新しい事業を育てたこと。本田宗一郎の時代から数えれば、50年もかかっています。これが、GAFAが台頭する時代に育った学生には理解しづらいわけです。「どうしてもっと早く市場に出して、どんどん生産して、成長させなかったの」と。

 ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長がハーバードに招かれた際にも同じような質問をされたそうです。それに対して藤野社長は、

「航空機の生産においては、経験曲線があります。1年目から大量生産をしようとすると、最初に多くの人を雇用しなくてはなりません。でも、2年目、3年目には、知識や経験が蓄積されて、1年目よりも少ない人数で生産することができるようになります。するとそこに余剰人員が出てしまいます。経済合理性から考えれば『余剰人員は解雇すればいい』という判断になりますが、それはホンダの哲学に反します。ホンダは人の力を信じているため、簡単に人員を解雇したりしません。そのため、ホンダジェットについても、最初から大量生産はせず、小さくはじめて知識や経験を蓄積させて、少しずつ人を増やしていく方法をとったのです」
(『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』佐藤智恵著、日経プレミアシリーズ、45ページより)

 

 現在、コロナ禍において世界中の企業でリストラの嵐が吹き荒れています。特に航空業界は厳しい状況に陥っています。今、藤野社長のこの言葉は大きな意味を持つと思います。

長い時間をかけた挑戦だからこそ「社員」が重要な資産となる。

  ホンダジェットの生産工場は、ホンダジェットの世界観がそのまま反映されています。

ホンダエアクラフトカンパニーの社屋は本社もショールームも工場もすべて、藤野社長が自らデザインしたそうです。

 通常、海外の企業の本社は都心の瀟洒(しょうしゃ)なオフィスにあり、社長は王様のような部屋にいて、社員は郊外にあるボロボロの工場で働いている、というのが定石。社長が工場に来ることなど、広報向けのパフォーマンス以外ではほとんどありえません。

ところがホンダエアクラフトカンパニーは全部同じ敷地内にあり、どの棟も同列に扱われていて、社長はふらりと工場にやってくる。現場でインタビューした社員の次の言葉が忘れられません。

「実はここで働いている人たちはアメリカ企業の工場から転職してきた人が大半なのですが、中には劣悪な環境で働いていた人もいるのです。フジノは私たちのために、こんなに美しい工場をつくってくれました。この工場で働けること自体がモチベーションになっています」
(『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』佐藤智恵著、日経プレミアシリーズ、47ページ)

 欧米の製造業企業は、現場の社員を「コスト」と見なしていますから、できるだけ安く働いてほしい、職場環境にもできるだけコストをかけたくないと考えています。

 一方で、日本企業のホンダはアメリカ人の社員を資産だと考え、できるだけ長く働いてもらおうと最大限の努力をしています。

イノベーションを創出できるかどうかは、結局のところ、リーダーシップにかかっている。

企業が倒産する最も大きな要因は、経営者の保守化。自らの報酬を最大化することを目的に、コストやリスクをできるだけ抑えようとする。あるいは、できるだけ長くその地位にとどまるために、確実に利益を上げられることだけを続けようとする。その結果、イノベーションを起こそうとする社員のアイデアをつぶしてしまったり、社員のやる気をそいでしまったりするのです。

 ハーバードの学生が「ホンダジェット」の成功秘話に驚愕した理由

 経営・戦略 ハーバードの知性に学ぶ「日本論」 佐藤智恵より。

 

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HondaJet(ホンダジェット)は、本田技研工業の航空事業会社であるホンダ エアクラフト カンパニーが研究開発、製造販売をする小型ビジネスジェット機。

2020年現在北米、欧州、中南米およびアジアを中心に世界で約150機が運用されている。

小型ジェット機カテゴリーにおける出荷数で2017年から3年連続で世界一を達成。

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より

 

ホンダが開発した小型ビジネスジェット機「ホンダジェットエリート」は、大型に比べて使い勝手が良く燃費も向上して東京から上海や台湾まで直行が可能。

小型機ながら客室は広く最大7人乗り、価格は約5億9000万円。

日本での第1号機を堀江貴文が購入、スマホゲーム会社の元副社長らと共同所有するとの事。

 

ホンダジェットにいつか乗ってみたい…

乗る方法は購入して乗るか、チャーターするかの2種類。

ホンダジェット購入時の機体価格はなんと525万ドル!(約5億5000万円)

また、購入後もメンテナンスや保険料といった維持費や飛行機を置く保管場所が必要になるので、現時点の日本ではかなり限られた層の利用となっている。

ちなみに購入方法は、ホンダ公式ページ下部から電話もしくはメールにて問い合わせる形。

利用しやすいのはチャーター。

チャーターとは、都合に合わせて貸切で飛行機を都度利用できるサービス。

2018年に設立されたANAビジネスジェット株式会社でホンダジェットをチャーターできるようになった。

チャーターの際にかかる費用は、同エリア内を移動するエリアチャーターとしての利用であればかなり安く費用を抑えられる。

たとえば、日本からシカゴまでは定期便を利用して、チャーターでシカゴ⇒コロンバス⇒デトロイト⇒シカゴの3区間を移動する場合は、約200万円から利用可能となっている。複数人で利用することを考えたら、1人の負担額は数十万程度。

 

  

Hondaは、みなさまへ“自由な移動の喜び”を提供することに挑み続けています。
クルマやバイクそして船外機など、陸や海を舞台にさまざまな製品を創造するなかで
空を自由に移動できるモビリティの提供は、創業当初からの夢でした。
小型ビジネスジェットを革新するHondaJet。
空へと広げたモビリティの舞台においてHondaは、
みなさまへさらなる移動の喜びをお届けできるようチャレンジを続けます。

 

 

 

乗れるような人になりたいけれど、夢のまた夢。

私なりに、いろいろと頑張っていきます。

 

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