聞き上手になるポイント
聞き上手になるポイント
インタビュアーとしてのぞんだ駆け出しの頃の阿川さんは、城山三郎さんとの対談で、聞くはずが、逆に喋らせられてしまったようです。
ところで、『聞く力』というベストセラーは城山三郎へのインタビューから生まれた。
城山はとてつもない聞き上手なのである。城山訳のキングスレイ・ウォード著『ビジネスマンの父より息子への30の手紙』(新潮社)について聞きに行って、阿川が城山に、「おもしろかったです」と言ったら、「どこが?」と尋ねられ、「章ごとに書いてある父からの教えが……」と答えたら、「いい読者だね。それから?」と先を促される。
城山の「聞く力」に完全に魅了されて、阿川は『聞く力』を書いた。
城山三郎に教わった阿川佐和子の「聞く力」 佐高 信の「一人一話」より
1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』『正義のセ』『聞く力』など。 新潮社より
1、笑顔で聞く
日常的な他愛もないレベルの話を、素敵な笑顔で聞いてくれたのです。
笑顔には、安心感を与え、会話を引き出すパワーがあるようです。
2、相づちをうつ
城山さんは、阿川さんの話をさえぎることなく、細かい相づちをうたれていたようです。
笑顔で相槌を打たれると、話したくなるようです。
3、オープンクエスチョンを使う
城山さんが面白そうに質問してきたから、つい話してしまったとありました。
ニコニコと楽しそうに、ただひたすら、
「そう」「それで?」「面白いね」「どうして?」「それから?」
と、小さなひと言を挟むだけ。
これらは、話に広がりができるオープンクエスチョンです。
会話が閉じてしまうクローズドクエスチョンは避けて、オープンクエスチョンを多用することが、会話を広げるコツ。
笑顔で聞き、相づちをうち、会話を広げるオープンクエスチョンを使う。
ぜひ実践して、聞き上手になコミュニケーションを目指そうと思います。